(認知症を支える家族の会)
認知症は様々な症状が出ます。私の実母も、元々の性格がとんがった部分もありましたが、失禁・徘徊・収集癖・妄想・イライラしたり、ウツ気分であったり、人物誤認(カプグラ症候群)など一通りの症状が現れていました。
物忘れ(記憶障害)や段取りがわからない(実行機能障害)などは認知症の中核症状ですから、その症状は誰にでも見られます。でも、徘徊や収集癖は誰にでもあるわけではありません。
認知症になりかけの頃、その病気が理解しにくいのは、中核症状と周辺症状(行動・心理症状(BPSD)が入れ子になっているうえに、元々の性格と映ってしまうところがあるからです。それに、物忘れや日時や段取りがわからない症状に加え、イライラやウツ気分、妄想などの心理・行動障害(BPSD)が絡み合ってあらわれることが多いので、介護負担を増すことになります。
新井平伊先生(順天堂大学大学院精神行動科学教授 認知症予防財団会長)は、『敵を知りて、己を知れば、百戦して危うからず』と中国の孫子の兵法を引きあいにして、「敵」を認知症、「己」を症状、「百戦」を人生に置き換えながら、認知症を正しく知り症状を理解すれば、人生は危うからずとなる・・・とおっしゃいます。
まずは、認知症を正しく知ることに焦点を当てましょう。
専門書によると、認知症状を表す原因疾患は100位載っています。中でもアルツハイマー型は全体の6割を占めます。私の実母のようにアルツハイマー型と脳血管認知症が合併したケースも結構多いと感じます。原因疾患により病気の展開もある程度予測できます。
物忘れだけの方々もおいでですが、BPSDが激しく、温厚な方が、突然「怒鳴る。手を挙げる」「目が座り、顔つきが変わる」「物を投げつけ、危険」「性的な欲求」等、介護する側が恐ろしさを感じる場合は、精神科の専門医に診てもらうのが良いと思います。
もちろん、初期であれば、認知症薬(ドネペジル・リバスチグミン・ガランタミン・メマンチン)で進行を遅らせることもできますが、薬は両刃の剣、副作用が出てしまう方もいます。85歳以上の高齢者や重度の症例には、認知症薬は明確な効果が見られず、副作用が出やすいという報告もあります。
精神科の投薬で激しい症状を和らげるにしても、体格や体調で投与量を変えるとか、効果がみられるか否か、介護する側がよく見ていて、医師に報告することが大切になります。効果があれば継続、なければ中止するのが投薬のスタンスです。
一人一人に合わせた投薬、さじ加減の上手な相談できる医師を選ぶことは、長い経過をたどる認知症の治療には大切なポイントになります。
また、認知症の治療には、回想法などの非薬物的治療・介護での対応の工夫や、身体的リハビリテーション等の治療が重要になります。
ご家族だけで悩んでいては何も解決しません、利用できる保険を最大限に利用し、家族が犠牲にならない介護を目指しましょう。次回は非薬物療法をお伝えしようと思います。
* 坂井レイ子さんは、ケアマネとして長年介護の場に携わってこられました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
12月3日(土)
午後1時〜4時
福祉センター2階 相談室
会員以外の方の相談も受け付けています。
一人で悩まずお電話ください。
介護経験者がお待ちしております。
プライバシーは十分留意いたします。
福祉センター2階 相談室へお越しくださっても結構です。
公益財団法人損保ジャパン日本興亜福祉財団では、2016年度に北海道、東北地区、関東地区対象の「在宅で高齢者を介護する家族の交流および研修会資金助成」の募集を行っていましたので、鎌倉市役所、市民健康課からの推薦をいただき応募しましたところ、助成対象になりました。
10月24日損保ジャパン日本興亜竃{社ビル内での贈呈式に2人出席して、他団体の活動等について伺ってきました。
首都圏贈呈式出席は、12団体。県別では、茨城県1団体、埼玉県1団体、千葉県4団体、東京都1団体、神奈川県5団体でした。活動種別では、「認知症の家族会」が7団体、「オレンジカフェ」が2団体、生活支援活動団体が3団体でした。 交流会では、団体の活動紹介と抱えている問題点を報告しあいました。
印象に残ったのは、男性介護者の相談や悩みを打ち明けやすくするための工夫やオレンジカフェの中で認知症らしき人を見つけ地域包括支援センターにつなげるなど今後工夫しなければならないことなどを聞くことができました。
選考委員の日本大学の内藤佳津雄教授から、若年性認知症と看取り方が今後、大きな問題になっていく。社会福祉法人浴風会、ケアスクール校長の服部安子さんからは、家族同士それぞれの思いを大切に看取りまでの道筋を準備することが大切。正しい知識、交流、発信をしていこうと話されました。
かまくらりんどうの会では、11月の交流会から20分位のミニ講座で健康体操など講師をお招きして行っていきますので、是非ご参加ください。
向山 政枝
私は母の介護をする以前に、神戸で十数年間障害者の施設(重度の身体障害、知的障害、精神障害、すべての障害を併せ持つ高卒以上50代までの方たちが通所している作業所)でボランティアをし、障害者ご本人、およびその家族(主に母親)とも近しくお付き合いをしておりました。このことが、認知症の母に接する上でかなりプラスになったと思います。
認知症は一種の精神障害、つまり病気です。盲目の方に「ぼやぼやしないでせっせと歩け」という人はいないでしょう。何故なら彼らは白杖を持っているので、誰にでも盲目だということが判ります。しかし、認知症の方は一目見て、誰にでも認識してもらえるわけではありません。初期の頃は家族にさえ理解して貰えない場合が多いのです。介護する立場の方が認知症は病気であるという認識を持つこと、そして現段階では治療によって回復するという期待を持つことも難しいということをしっかりと受け止め、その上で介護に当たることで、介護上の様々な困難がいくらかでも軽減されるのではないかと思います。
母の介護に携わったのは平成19年10月から26年8月までの約7年です。(それ以前は別居していましたので、その間の詳細は分かりかねます。)
両親は弟家族と同居しておりましたが、平成9年に息子(私の弟)が脳出血で倒れました。このことが母の認知症のきっかけではなかったかと思います。弟は10年後に再度倒れ、ほぼ植物状態になりました。そのころには母の認知症は中程度になっていたようで、同居していた家族から認知症と思われる報告を度々聞くようになりました。しかし常に母の近くにいて、最も影響力が大きかった父の対応は、非常に穏やかで、愛情に満ちたものでした。そのため、私が介護に携わるようになった時に、手に負えないような周辺症状はほとんどありませんでした。
年が明けてまもなく母は小林クリニック(ネットで鎌倉市・認知症専門医を調べたらお一人だけいらっしゃいました)で受診、アルツハイマー型認知症であると言われアリセプトの服用を開始しました。介護認定の結果、要介護3でしたので、将来必要になるであろう特養(特別養護老人ホーム)への入所を考え、市内の三つの特養に申込書の提出をしました。また精神障害者手帳も申請し、取得いたしました。このことで医療費の負担はなくなりました。
その後母の症状は少しずつ進行し、排泄のトラブルが増え、自宅で嫁がやっていた英語教室の生徒さんへの影響も考え、父と母は平成22年4月、高齢者専用賃貸住宅に入所しました。(高齢者専用賃貸住宅=二人部屋があり、一方が自立していれば、入所可)しかしその年の暮に父が体調を崩し、母の面倒をみられなくなり、母は横浜ほうゆう病院に入院を希望し、2週間ほどで入院できました。しかし病院はリハビリが全くなく、その点について主治医に相談した結果、老健(老人保健施設)への入所を勧められました。老健かまくらに申し込みをしましたら、約2か月後に入所が決まり、その後2か月ほどで特養に入所することが出来ました。これは、大変幸運な例であるとは思いますが、特養へは平成20年に申し込みをしていますので、3年後ということになります。その後、母は26年5月に看取りに入りますと言われ、8月に亡くなりました。
特養に入所して約3年間、母は一度も入院することがありませんでした。母は歯磨きが好きで、食後私の気が済むまでずっと口を開けて口腔衛生に協力してくれました。このことが、誤嚥による肺炎を防ぐのに大いに効果があったのではないかと思っています。
母の介護に関して、今から思うとこうしておけばよかったということも多々あります。その中でも一番強く感じているのは、母の特養入所に関することです。
平成23年の3月末に入所できますがどうしますかとお話があった際、その年の秋に新しくオープンする予定の特養があることが分かっていました。しかしその年の東日本大震災の影響で資材、人手が不足したのでしょう、オープンが大幅に遅れることになりました。もしその施設なら父と母二人一緒に入る事が出来ただろうと思うのです。(父も車いすを利用しており要介護3でしたので、同室は無理ですが、入所の条件は満たしておりました。)
父は、母の施設入所後、母と共に過ごす時間を作るため、母のいる特養に月に1回ショートステイをし、また週に2回デイサ−ビスを利用していました。平成24年初夏に父は母と異なる特養に入所することになってしまいましたが、月に1回は、母の施設に面会に行っていました。父は「やはり夫婦は一緒にいないとダメだね。記憶がだんだん薄れていってしまう。」と、ことあるごとに言っておりました。何とか二人が一つの施設で暮らせないかといろいろ努力をいたしましたが、不可能でした。今思うと、母の入所を急がず、ショートステイで継ぎ乍ら新施設のオープンを待つというのがベストだったでしょう。
今後の特養入所のあり方として、別々の施設にいる夫婦がひとつの施設に入居できるような施設間の柔軟なやりとりが可能なシステムがあったらと願わずにいられません。
*「母の介護記録」は、中島吹雪さんの鎌倉市認知症サポーター養成講座での講演抄録です。
***********************************************************************
イス体操は身体に負担なく日常生活に取り入れることが可能な運動です。体操と連動させて行うとその効果を高めるのが呼吸法で腹式呼吸です。
腹式呼吸は身心を落ち着かせる効果と同時に免疫力アップ、老化防止など良いこと様々です。
@ 全身の力を抜き、8拍で鼻から吸いながらお腹を大きく膨らまします(丹田(おへその下)に空気を入れるイメージで)
A 息を吐く時は、お腹がペッタンコになるまで8拍で口から息を吐きます。全身に溜まった悪い空気を全て吐き出し、森林の中の良い空気を身体に取り入れるイメージで行いましょう。
*加治さんは東北福祉大学で学ばれ9月の交流会では椅子体操と腹式呼吸を教えてくださいました。
11月に入り急に秋の深まりを感じる中、多くの方々が出席されました。また社協からも研修中のお二人の参加がありました。今回は、介護家族の方々からの近況のご報告と予後についてのご相談の話しが中心となりました。
当会に入会したことで有効な助言や支援(医者やケアマネの紹介や変更可能といった情報)を得たお蔭で、現在ご本人はデイサービス積極利用と服薬療法・在宅生活で穏やかに過ごせているが、今後のご本人の状態、また家族としての対応を、いろいろ勉強していきたいというお話や病院や通所介護サービスをいろいろと変えて試行錯誤の在宅介護だったが、最近グループホームに入居。やっと自分の時間も持てるようになったが、家族として入居中の妻に対し、どの程度の関わり方(毎日の面会が是か非か?等)について経験者からアドバイスを得たいとのお話、急性期に精神科病院に入院していたが、現在誤嚥性肺炎のため、転院。症状が軽快後、再度最初の病院に転院するのかと、病院の選択に迷っているというお話。
いずれのお話も、ご本人それぞれの予後をどうしたらよいか、医者、介護施設、ケアマネ等の変更は可能か、適正な選択は何か、といった点が共通して訴えられていました。
出席者からは、そんな時介護者が一人で抱え込まず、介護体験者や専門職に助言を得て考えていくことも肝要ではとのアドバイスがありました。研修生の方々からは、このような介護体験談こそ、自分たちが介護する時期が来る前に聞くべき、また聞きたかったお話しだった、話すこと、またそれを聞いてもらうことが介護への励ましと力になっているのだと実感したという感想がありました。T.S
★介護に便利な福祉機器体験記(11月8日 地域包括支援センター聖テレジ
アで体験)は、次号に掲載致します。手軽に使えるミトンやシートから移動のための機械まで多様な介護用品を会員の皆さんが体験して来ました。
曜日 | 内 容 | 福祉センター | 時 間 | |
---|---|---|---|---|
12月2日 | 毎週金曜日(第3金の16日まで) | コーヒーポット | 稲村ケ崎きしろ | 13:00〜15:30 |
12月3日 | 土曜日 | りんどう電話相談 | 相談室 | 13:00〜16:00 |
12月6日 | 火曜日 | 介護相談会 | 団体活動室 | 13:00〜15:30 |
12月9日 | 金曜日 | 運営委員会 | 団体活動室 | 10:00〜12:00 |
12月15日 | 木曜日 | クリスマス会 | 団体活動室 | 13:30〜15:30 |
12月23日 | 金曜日 | 会報印刷 | 団体活動室 | 9:00〜12:00 |
曜日 | 内 容 | 福祉セン ター | 時 間 | |
---|---|---|---|---|
1月7日 | 土曜日 | 電話相談 | 相談室 | 13:00〜16:00 |
1月13日 | 金曜日 | 運営委員会 | 団体活動室 | 10:00〜12:00 |
1月13日 | 毎週金曜日 | コーヒーポット | 稲村ケ崎きしろ | 13:30〜15:30 |
1月19日 | 木曜日 | 新年会 | 第1・2会議室室 | 11:30〜15:00 |
1月27日 | 金曜日 | 会報印刷 | 団体活動室 | 9:00〜12:00 |