(認知症を支える家族の会)
2日(土) 電話相談 13:00〜16:00
8日(金) 運営委員会 10:00〜12:00
22日(金) 会報印刷 9:00〜12:00
かまくらりんどうの会の主な催しの一つに、「介護相談会」があります。現在、コロナ禍で行っていませんが、月に1回介護経験者が集まってワイワイガヤガヤとお菓子を食べながらの話し合いは、悲喜交交介護者交流の大切な場となっていると思っています。
「トイレの誘導がたいへんだった」「施設入所はどうなの?」「ペルパーさんなど介護のプロの力も借りることも必要ね・・」などと、話しは多岐にわたります。「介護のストレスを聞いてもらえる場があってよかった」看取りを経験した女性は話します。
毎回7〜8名の参加者で、初めての参加者は、戸惑われるかもしれませんが、もちろん個人情報は守りますし、参加者に徹底しています。ほぼほぼ、介護に関する雑談会と言えるとものです。
「相談会」では、“介護の入口”としての「地域包括支援センター」(以下、「地域包括」と記します)の活用が話題になります。そして、「困ったことがあったら地域包括」という話しで話題を閉じることがありますが、「地域包括」を知らない方が意外と多い。令和3年度〜5年度の鎌倉市高齢者高齢者保健福祉計画策定のためのアンケート調査(65歳以上で、要介護・要介護認定を受けてない人4200人の無作為調査 回収率61.3%)で、「地域包括」を知らないと答えた方が49.1%という結果も出ています。私たちの活動も、少しすそ野を広げる活動が求められているのかもしれません。
「地域包括」は、高齢者や家族の「よろず相談所」です。高齢者保健福祉計画には次のように記述されています。
高齢者が住みなれた地域でいきいきと生活していけるよう、様々な支援を行う中
核拠点として、市内に地域包括支援センター10か所(鎌倉3か所、大船2か所、腰
越・深沢4か所、玉縄1か所)を設置し、定められた担当地域において、保健師、
社会福祉士、主任ケアマネージャーなどの専門職が、高齢者やその家族などのよ
ろず相談所として様々な相談業務を行っています。
「地域包括」には、「認知症初期集中支援チーム」も設置されています。家族に認知症が疑われるような状況が生じたら、早めに相談してみてはいかがでしょうか。医療、福祉、介護の専門家に対応していただけます。「早期発見で早めの対応」がとても大切なことだと思います。
まだまだ福祉サービスなんて・・・、自分は大丈夫認知症にはならない・・・
などと思いがちです。「何かおかしい?」と感じたら早目に「地域包括」へ。介護経験者である私たちにも“介護から得た知恵”を持っています。みんなで力を合わせて、よりよい地域づくりを進めませんか。
9月16日に深沢学習センターホールで、公開講座「認知症と向き合う」が開催されました。
講師は長年認知症の患者さんに寄り添い、ケアにあたってこられた杉山孝博先生(川崎幸クリニック院長・公益社団法人認知症の人と家族の会神奈川県支部代表世話人)
100名近くの参加者とのことで、「認知症」への関心も高く、私たちにとって、とても身近な問題になっていることを実感しました。
そして「認知症」を知り、理解を深めることが、認知症ケアの第一歩と改めて学びました。
先生の体験された豊富なエピソードを交えたお話には、介護のヒントがたくさん。笑ったり頷いたりしながらのあっという間の1時間半でした。
私事を申しますと父母と義母の介護を終えて今年で10年。
介護を始めた当初、何もわからず混乱し、父と一緒に消えてしまいたいと思った苦しかった日々も、すっかり忘れかけていたこの頃、でしたが、身内の発症で改めて今認知症に向き合うことになりました。
父母、義母で体験しているので、ゆとりを持った介護ができるはずと思ったものの実際には、そうはいきませんでした。
確かに先生のおっしゃる通り、患者さんは個々人で違うわけですから。
以前の経験から認知症の方の行動は・・と、わかったような思いでいたことは、不遜でした。
これからは先生のおっしゃるケアをするにあたっての原則「本人の記憶になければ本人にとって事実ではない。」「本人の思ったことは本人にとっては絶対的な事実である。」「認知症が進行してもプライドがある。」を大切に身内の思いを第一に優しいケアの担い手になれればと思っています。
先生の提唱される「認知症をよく理解するための9大法則・1原則」を改めて読
みなおそうと思っています。 (ma・m)
*次号で上記の「認知症をよくするための9大法則・1原則」をご紹介致します。
50代でNPO法人「高齢社会をよくする会」を立ち上げ、介護保険の実現にも貢献した評論家の樋口恵子さん。教育、女性、福祉問題に幅広く鋭い論評を加えてきました。
その樋口さんも齢88歳。老いの当事者となりました。
老いてみれば思いがけないことの連続。駅のトイレで立ちあがれなくなり、10分にも及ぶ床との格闘を繰り広げ、パニックになってしまいます。
予期せぬことの連続の日々の中、終活、人間関係、経済、介護など生活に関わるあらゆる分野のテーマに、樋口さんが体験をもとに得た88の知恵が紹介されています。
認知症に関してはお嬢さんに「認知症になったらまわりに隠さないで、友人や隣近所に告げ、できるだけ公的支援を受けてほしい。」と伝えているそうです。 認知症を公表し、適切な支援を受ける人が増えれば増えるほど、その対策が進むと考えているからと。
老いという未知の海に飛び込み、果敢に泳ぐフアーストペンギンとしての樋口さんの雄姿は颯爽としていてとても励まされます。
88のアドバイスも高齢者だけでなく若い世代にも、これから訪れる歳月へのアドバイスとして大いに参考になると思います。ユーモア溢れる表現で、わかりやすく書かれ、活字も大きいこの本は、お勧めの一冊です。 (m・m)
澄み渡る空と空気が心地よく感じられる昨今です。
袋に貼られた「新米」のシールに、もうそんな時期!自然の恵みに感謝して幸せな気分になりました。
まだまだ今までの普通の生活とはいきませんが、少しでも気持ちだけは明るく過ごしたいものです。
秋冷の加わる季節です、お体にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。a.y
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