かまくらりんどうの会 (認知症を支える家族の会)かまくらりんどうの会 今月の話題

更新日: 2019年7月27日

8月の話題

かまくらりんどうの会 今月の話題です

* ★認知症介護相談会★


・日 時・・・8月6日(火) 13時〜15時30分
・ところ・・・福祉センター 団体活動室
☆体験談を通し、知恵の交換をし合う会です。
介護体験者がお待ちしています、お気軽にご参加下さい。
 

*★交流会★


☆ 8月はお休みします。
 

在宅介護の日々のこと (介護10年を経て思うこと) K.Y


オレンジカフェ
 2008年記銘力・認知障害、2010年若年性アルツハイマー型認知症と診断されてから10年余り経ちました。2014年春、急変悪化に因り医療保護入院し、約3ケ月後に退院。直後に訪問医療、そして同年秋、看護・小規模多機能型居宅介護支援施設の利用を始め、再入院することなく在宅介護を続けています。 退院後5年間を振り返り、気付いたことを書かせて頂きます。

食事と咀嚼・・・
退院後、下方凝視の姿勢であったため、飲み物一切をゼリーやアガーで固め、流動食も一匙ずつ辛うじて口に含ませる、と言った食事内容の介助でした。徐々に上体が上がり、正面を見据えられる様になると摂取量が増し、食の内容(形)が変わり、次第に体重が増え血色も良くなりました。毎食、口を結び『食べること』の認識が曖昧な時期もありましたが、数年経た今は柔らかな普通食(流動食や刻み食を用意せず、切り方や煮方を工夫して)を笑顔で摂っています。
 三度の食事摂取と柔らかな物でも咀嚼することは、回復に向けて大きな働きであったと思えてなりません。

運動能力と感情・・・
 座位の姿勢を保つことや歩行など、総体動作能力は殆ど失い、日中眠る事が多くなりました。それでも一日一度は車椅子に移乗(危うい時は中止)する。ベッドの端に座って過ごす時間を持つ。話しかける。これらの事を続けて行く内に、 虚ろだった表情は消え豊かになり、笑顔を見せ、懐かしい曲に涙することもあります。

介護する気持ちが年々前向きに・・・
 訪問医療・介護保険制度利用の上で支えて下さる方々のお力もあり、『夫を不安にさせない』『食を二人で楽しむ』『夫の時間に寄り添う』が無理なく自然と介護の鉄則になり、介護する気持ちが年々前向きに変わって行きました。最近嬉しい事に、寝返りも出来ず天井を見つめるだけであった夫が、少しだけ頭を私の方に向けるようになりました。主治医先生、看護師さんの言葉掛けに笑顔を見せる事もあります。理解不能・無表情だった夫に起こった小さな回復ですが、コミュニケーションがとれた時は、病を忘れさせてくれます。(言葉は全く発しません。)

介護負担を感じた時はプランの見直しを・・・
在宅日は昼夜数時間置きの介護と看護(褥瘡予防やクールダウン)があり、これらの負担増に伴いプランを『デイ利用25日・そのうち宿泊17日/月』に変えて頂きました。(5連夜介護が続いた時期に体調を崩し、疲労度と今のプランで在宅介護を続ける事は無理である、とお伝えし見直して頂きました。)  『家族・医療・施設』の介護に関わる全ての人たちが連携を取り、如何にしたら介護の負担減になるかを話し合う事で介護者の孤立感が薄れ、心丈夫になります。どの様なパッドが使用・交換しやすいか・・・。特に排泄のコントロールをどのようにするか・・・等については数カ月にわたり状況を伝え合い現在の処方に落ち着いています。


一日でも長く楽しく一緒に過ごして行きましょう、と迎えて下さった日から、5年余り過ぎました。通所を始めた頃は痩せ細り『一日でも長く・・。』と願いたい健康状態でしたから、今、この様に過ごせている事が不思議でなりません。これからも支えて頂きながら夫と日々を大切に過ごして行きたく思います。

追記
1948年4月生 要介護度5 妻/主な介護者
2008年 記銘力・認知障害  2010年 若年性アルツハイマー型認知症と診断
2014年 4月〜7月 医療保護入院
上記退院と同時に『訪問医療』を開始、同年10月『看護・小規模多機能型居宅介護支援施設』の利用を始め、現在に至る。

  

新たな認知症対策と薬 坂井レイ子(社会福祉士,ケアマネジャー、看護師)


オレンジカフェ
 日本が直面しているのは人口減少と少子高齢化という難題です。老後資金2000万円不足を指摘した金融庁の報告書を政府が受け取らなくても、将来への不安は残ります。最大の気がかりは老後を支える資金です。 
 家族の形が大きく変化しています。2040年には独居世帯が3割を超すと見込まれます。急速に進む高齢化と一人暮らし世帯に、なすすべはないのでしょうか。
 現在の介護保険制度は、同居する家族がいることを前提に作られています。介護保険と家族の介護を組み合わせて、初めてお世話ができる仕組みです。一人暮らしの人がどんどん増えたら、介護事情は厳しくなります。多くの人が介護から取り残される恐れがあります。
 政府は認知症対策の新たな案を示しました。発症の予防や発症後の進行を遅らせる対策を強化することがメインです。
 70代の人口に占める認知症の割合を6年で6%、10年で約10%減らすことが目標です。 
 現在の認知症の国家戦略「新オレンジプラン」は、認知症の人が住み慣れた地域で暮らせるようにすることが対策の中心ですが、それに加えて「予防」が全面に出てきました。
 しかし、認知症は発生の原因がまだ解決されておらず、根本的な治療法が確立 されていません。国内で承認されている認知症治療薬はこれまで、抗認知症薬はドネぺジル(商品名アリセプト)しかありませんでした。5年前からガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(イクセロンパッチ)、メマンチン(メマリー)の3種類が追加されました。
 これらの4種類の薬はアルツハイマー型認知症に有効で、改善や進行抑制が期待できます。ドネペジルはレビー小体型認知症にも適応が広がりましたが、脳血管性認知症や前頭側頭型認知症には効果がありません。
 アルツハイマー型認知症の進行度やBPSD(周辺症状)に応じて薬の使い方が異なります。二種類の薬の併用や、他の脳機能改善薬、漢方との組み合わせなど選択肢は様々です。

 
進行度に応じた使い分けは以下の通りです。
(1)軽度〜高度‥ドネぺジル
(2)軽度〜中等度‥ガランタミンとリバスチグミン(貼付剤)
(3)中等度〜高度‥メマンチン 
BPSDの合併例には、ドネペジル以外を選択し、少量の向精神薬や、漢方も組み合わせます。注意する副作用としては、@吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛など消化器症状A不整脈の一種である「徐脈」B興奮しやすくなったり、頭が混乱する、などがあります。「易怒性」(ささいなことで不機嫌になる、怒りだす)が少ないと思われるメマンチンも、感情が激しく高ぶる「激越」の副作用が出ることがあります。治療の場面では、薬を減らしたり中止することがあります。 
 わずかな記憶障害が出た時点で、適切な治療とケアが効果的です。早めに対策をとれば、進行を抑えることができます。薬の使用初期の段階で「本人に元気が出てきた」「明るくなってきた」など、ご家族が効果に気づくケースもあります。本人が薬の効果を確認して自信を取り戻し、脳トレなども併用して数年後に薬を卒業できた例もあります。
 早期に薬を飲み始めた場合、「数年経つと薬の効果が薄れてしまうのでは」と心配するご家族もおられますが、薬の組み合わせを変更すれば効果が期待できます。 ですが、いずれも認知症自体を改善することはできず、進行を遅らせる効果にとどまります。フランスは副作用の割に効果が確認できないとして、4種類を保険適用から外しました。
 発症は個人の特性に負うところが大きいのですが、どんなに節制しても認知症になる人はいます。政府が予防の旗を振ることで、自己責任を求めたり、認知症を過度に悲観する風潮が強まりかねません。 
 認知症になっても安心して暮らせる社会保障制度を整備することが、政府の本来の役割ではないでしょうか。  財源やマンパワーの確保に全力を挙げるべきで、それが難しいからと言って、予防偏重の政策に走っていいものでしょか。

  

* 介護の悩みお電話下さい。りんどう電話相談(認知症相談)

相談電話担当者


8月3日(土)
午後1時〜4時

福祉センター2階 相談室

相談電話 りんどうテレホン0467-23-7830 

会員以外の方の相談も受け付けています。
一人で悩まずお電話ください。

介護経験者がお待ちしております。
プライバシーは十分留意いたします。
福祉センター2階 相談室へお越しくださっても結構です。

 

デイサービス選びと処方薬の話(7月2日 介護相談会報告) 


 雨は降っていませんでしたが、蒸し暑い梅雨の一日、7月2日に13名が集い、介護相談会が開かれました。
 この日の話題の中からデイサービスのこと、服用薬のことをご報告したいと思います。


 デイサービスを利用したいと思ったら施設に何を望むかを考えてみましょう。 例えば@自宅での入浴が難しくなったので入浴をさせて欲しい。A今の状態の維持のためにリハビリを利用したい。Bデイサービス利用中に、介護者が、日頃出来ない家事等、用事をするために利用したい。C介護者がゆっくり休みたい。Dご本人に楽しく時間を過ごしてもらいたい、等々。 このように家族の希望はいろいろあると思います。どれを最優先とするかを決め、ケアマネさんに伝えましょう。家族の思いをはっきり伝えることで、ケアマネさんも目的に沿った施設選びがしやすくなります。 リハビリを実施しているところは利用時間を半日としているところが多く、一日の利用を考えた時には、家族の希望にそぐわない場合も出て来ます。このような齟齬が起きないためにも、家族の率直な希望を伝えることは、とても大切ではないでしょうか。
  もう一つは医師に処方された薬のことです。風邪の薬などと異なり、認知症の 薬や向精神薬は期間が長く服用するようになるかと思いますが、服用後何か変化が見られたら、医師にはっきり伝えましょう。薬の副作用によることもありますので、医師に変化を伝えることは大切です。
(注:向精神薬=精神に作用する薬。抗うつ剤、抗不安薬、睡眠薬、抗認知症薬など多種ありますので、詳細は医療機関でお尋ねください。)

  

お知らせとお願い 


★バザーのお知らせと献品のお願い★

 9月1日(日)第39回鎌倉福祉まつりが鎌倉市福祉センターで開催されます。
当会はバザーに参加いたします。
ご家庭で眠っている未使用の日用品(生ものは不可)がありましたら8月6日(介護相談会)、8月9日(運営委員会)にお持ちください。
また運営委員に連絡をいただければ、ご自宅まで取りに伺います。
皆様のご協力よろしくお願いいたします。


★9月交流会 クレイフラワー体験のお知らせ★
 9月交流会(9月19日・木 午後1時半〜3時半)で、樹脂粘土を使った
クレイフラワー体験を企画しています。参加費は300円です
講師は会員の方で、可愛い苺のモチーフを作ります。
 初めての方にも簡単に、素敵な作品が作れます。 
 指先を動かすことは、脳の活性化にも効果大とか。
皆様のご参加をお待ちしています。
参加ご希望の方は、8月8日までに、下記担当にご連絡ください。
  岡( 0467-46-0487) 端山(0467-31-4923)
*詳細は会報9月号に掲載します。

  

編集後記 

 
暑さ一段と厳しき折からと書きたいところですが、7月は大変涼しく雨の多い毎日でした。ご本人様をはじめ、ご家族様も体調を崩されませんでしたか。8月の天候はわかりませんが、天災がなく穏やかな日々が過ごせればよいですね。気候不順の折りお体大切に。a.y暑さ一段と厳しき折からと書きたいところですが、7月は大変涼しく雨の多い毎日でした。ご本人様をはじめ、ご家族様も体調を崩されませんでしたか。8月の天候はわかりませんが、天災がなく穏やかな日々が過ごせればよいですね。気候不順の折りお体大切に。a.y ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆会報へのご意見、ご要望は下記の発行者、編集担当までお知らせ下さい。
発行者:かまくらりんどうの会   代 表:渡邊武二 TEL45-6307
編集・印刷:菅井 TEL 46-5369  山際 TEL 24-8765

     
 

* ・りんどう8月の予定


曜日 内 容 福祉センター 時 間
8月2日 毎週金曜日 コーヒーポット毎週金曜日 稲村ケ崎きしろ 13:30〜15:30
8月3日 土曜日 りんどう電話相談 相談室 13:00〜16:00
8月6日 火曜日 認知症介護相談会 団体活動室 13:00〜15:30
8月9日 金曜日 運営委員会 団体活動室 10:00〜12:00
8月23日 金曜日 会報印刷 団体活動室 9:00〜12:00
8月23日 金曜日 バザー値付け 団体活動室 13:30〜17:00

 

* ・りんどう9月の予定


 
曜日 内 容 福祉セン ター 時 間
9月3日 火曜日 認知症介護相談会 団体活動室 13:00〜15:30
9月6日 毎週金曜日 コーヒーポット 稲村ケ崎きしろ 13:30〜15:30
9月7日 土曜日 りんどう電話相談 相談室 13:00〜16:00
9月13日 金曜日 運営委員会 団体活動室 10:00〜12:00
9月19日 木曜日 交流会 団体活動室 13:30〜15:30
9月27日 金曜日 会報印刷 団体活動室 9:00〜12:00